野球留学 大久保裕貴君
大久保裕貴さん
鎌倉学園高校卒
カリフォルニア州立マーセッド大学
日本プロ独立リーグ 石川ミリオンスターズ
大久保さんはマーセッド大学野球部から、2011年日本独立リーグ王者となった石川ミリオンスターズに同年ドラフト指名を受け入団。日本独立リーグでプロ選手としてのスタートをきりました。
http://www.hokkoku.co.jp/subpage/LS20120118601.htm
「アメリカの大学に留学して野球をやることで、アメリカのベースボールを経験できたことが、野球選手としての自分自身の成長につながったと思っています。
野球と学業の両立が求められるアメリカの学生スポーツに身をおいたことで、人間として大きく成長できたし、価値観も変わりました。
アメリカの大学の授業は欠席が許されず、課題も頻繁に課されるので、私は必ず授業に参加して期限内に課題を終わらせることを強く意識していました。留学生活はたしかに大変な面もあったのですが、振り返ってみるととても楽しい留学生活でした。
アメリカの大学野球に飛び込む学生に限らず、日本を離れてアメリカに留学すると、日本との大きな違いに驚くこともあると思いますが、その違いを経験することが自分自身にとってプラスになると私は考えています。これから日本でもアメリカのベースボールを表現していきたいです。」
▶ 大学での初学期を終えて。
今のところ学校の授業は今まで日本で習ってきたことがただ英語になっただけなので、ある程度はついていけています。しかし名門四年制大学への編入には一定以上の成績、単位が必要になっているので、野球をしている僕にとっては四期(=約2年)で単位を取り、なおかつ良い成績を修めるのは容易ではないと今学期を終えて思いました。
▶ 野球部での練習について。
日本の高校野球の長くキツイ練習をしてきたので、基本的にはキツイと感じる練習はありません。ですが、練習内容がアメリカに来る前に想像していたことと大分違い基礎的なことばかりで、バッティングの時間が極端に少ないです。その点がある意味アメリカ野球の短所です。また練習時間が2~5時なので「物足りない感」が否めないです。
▶ 日本で野球をしてきた利点とは?
僕が思うのは、野球に対する意識が大きいことと細かいプレーができることだと思います。日本の高校野球では幾度も組織プレーの練習を反復します。例えば、その為に外野と内野の中継プレーではカットがどこか感覚的に分かっています。しかし、アメリカではそのような連携プレーの練習が少ないです。そのために、中継に投げる時には一回確認してから投げなければなりません。
僕自身、アメリカに来たばかりの頃は日本の感覚でスローイングしたらそこに中継がいなく連携がうまく行かなかったことがありました。また、こちらでは日本のようにがみがみ言うコーチ、監督や先輩がいません。そのために野球に対する姿勢はアメリカ人とは大分異なっていると感じます。
良い点は、アメリカでは縛られないことが素晴らしい環境ですが、その反面少し厄介な環境です。どちらが正しいかはわかりませんが、僕はこの野球に対する意識という点では日本で野球をしてきた利点になっていると思います。
▶ アメリカでの生活はどうですか?
日本にいた頃に比べて自由に使える時間が増えました。
そこで僕は、好きな読書に時間を充てることにしました。最近話題になっていた竜馬関連の小説や、自己啓発の本や野球関係の本を読んでいます。読書の際には、本に書かれていることを取捨選択しながら自分への参考にしています。
ある意味自己満足ですが、本を読むことによって人として少し成長できたと思います。この読書が野球、英語の生活に加わることで充実したアメリカ生活が送れています。
▶ 留学中、意識していることがあれば教えてください。
地元を離れてアメリカにいつために日本の友達たちと遊ぶことが難しくなりました。そのかけがえのない時間を失ってまでアメリカに来たのだから、「必ずプロになって活躍する」という気持ちを忘れないようにしています。
もちろん夢の実現のためにアメリカに来ました。その反面「余裕」を持つことも意識しています。物事は焦ってはなかなかうまく為せません。じっくり、たまに駆け足でアメリカンドリームをつかむために成長していくつもりです。
▶ 留学のメリットとデメリットがあれば教えてください。
留学のメリットは、野球をやるチャンスが多いということです。例えば実力的に日本ではここから先は難しいという人でも、こちらでは十分プレーできるはずです。
日本の大学の場合、本来なら上級生がいるので一年生からしか試合に出られないことが多いはずです。しかしこちらのカレッジでは二年制のためにほとんど同じ年齢の人しかいません。つまり、一年目から試合にでることが容易です。
さらに、一番のメリットはプロのスカウトに見てもらう機会が多いということです。こちらの方が言うまでもなく日本より球団が多いです。その上、ドラフトで指名される人数が日本と比べ物になりません。現時点でも僕たちの試合に何度もスカウトが来ています。もし留学をしていなかったらスカウトに見てもらうチャンスはなかなか無かったかもしれません。